プログラム概要: 人材育成

地域益を実現できる包括的高度専門人の育成へ

GIARIメソッド

研究のGIARIモデルと相互補完的な役割を果たす系統的・体系的な教育プログラムが、GIARIメソッドです。GIARIメソッドは単に最先端の研究成果を取り込んだだけの教育プログラムではなく学生が自らの立つ位置と他領域への横断性を明確に意識できることを目指したものです。

このプログラムにより、アジア地域統合のような複合領域的な研究分野においても、大学院生は自らが複数の領域のどの部分に分析の軸足を置いているのかを自覚した上で、複数のディシプリンを獲得し、他領域との関係性・横断性への配慮を持つことが可能となります。

GIARIメソッドのコンセプト

3つのキー・コンセプトと3領域との3×3×3のマトリックスがキューブを形成しています。左面がGIARIの研究活動の成果を反映した研究面。右面の人材育成面は、GSAPSをはじめとする各研究科で提供される教育カリキュラムの充実度を示しています。それぞれのセルの濃淡は、個々の概念が交差する領域で、アジア地域統合に関する研究・教育活動の実績の度合いを示しています。例えば、研究面で薄い部分は、研究蓄積がそれほど進んでいない分野を表し、逆に濃くなっている部分はかなり進んでいる分野となります。

3ステップで進める人材育成のプロセス

GIARIでは、アジア地域協力・統合を意識しながら、「地域益」を実現できる包括的高度専門人の育成を目標とし、次の3段階のステップで人材育成をすすめています。

ステップ1
大学院生全体への関心の向上をはかる

GIARIが開催する各種シンポジウム、ワークショップ、WUDSNへの学生の参加を促すことによって、修士課程も含む大学院生全体のアジア地域統合・協力への関心を高めています。

ステップ2
地域統合の協力者の育成

GSAPSの修士課程では、アジア統合の基礎的な知識・方法論を履修するための講座(「アジア統合セミナー」「アジア統合に関する質的・量的分析手法」)が展開され、博士課程の前段階として、地域統合研究分野における専門性と複合性を学ぶ機会を提供しています。また、アジア地域統合・協力に関する現地調査、国際学会での報告等を行う博士課程学生に対して、「研究調査支援スキーム」により資金援助を行っています。

ステップ3
統合の中核的担い手の育成・包括的高度専門人

地域全体・各領域の事情に精通し、地域統合の制度設計に参加できる未来の知的リーダーとして、アジア特別フェローとしてRAを採用。彼らには米国の客員教授による英語論文執筆の集中指導を行っています。また2009年度からは、新たにグローバルCOE助教(次席研究員)を採用しました。彼らには、新たな理論構築の中核となることが期待されています。